きっかけは20歳ではじめたサーフィン。やればやるほどもっとうまくなりたい、毎日海に入りたい、プロになりたいという思いが強くなり、思い切って仕事をやめて移住することにしました。
当初は、派遣会社の寮に入って仕事して、海に入って…と移住の暮らしを思い描いていましたが会社を2日で辞め、クルマの中で暮らす生活に。さすがにまずいと思いかけた頃、紹介されたのがシラス漁の仕事です。仕事は日の出から昼過ぎまで。それさえ終われば暗くなるまでずっとサーフィンができたので、僕にとっては最高の職場でした。
若い頃は、自分でもなんとかやれていると思っていたけれど、今思えば、その裏には何かと世話を焼いてくれた田原の人たちの支えがあったのですね。
こうしてサーフィン一筋の生活を続けた結果、数々の全国大会で結果を出せるようになり、プロにもなれました。27歳の時に結婚し、子どもが生まれると、さすがに独身の頃と同じ生活はできません。大会の結果は、その人がどれだけ強い思いを持って挑んでいるかという部分が大きく、生活のすべてをサーフィンだけに注げなくなった僕には、だんだんと厳しいものになってきました。
そこでひとつの区切りとしてプロ生活を終えることを決意。ひとつのことに打ち込んで情熱を持ち続けられたからこそ、サーフィンと出会えたことや、田原で多くの人に支えられたことにとても感謝しています。